法務法人(有限)地平

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地平、BSRと「グローバル人権デューデリジェンス法制化の動向とアジア企業の対応」セミナーを盛況裡に開催

2023.11.01

当事務所は、BSR(Business for Social Responsibility)と共同で11月1日午後2時、当事務所本社グランドセントラルオーディトリアムで「グローバル人権デューデリジェンス法制化の動向とアジア企業の対応」セミナーを、韓国、日本、シンガポールなど国内外の企業関係者200名余りがオンライン・オフラインで参加した中、盛況のうちに開催しました。 
 
BSRと当事務所は昨年1月に人権経営コンサルティング業務提携を締結し、国内グローバル企業の人権経営普及のための共同プロジェクトを実施しています。今回のセミナーは、BSRと当事務所が共に主催する3回目のセミナーです。 
 
今回のセミナーでは、グローバル人権経営評価機関、国内外の企業を代表する人権経営専門家とともに、グローバル人権デューデリジェンスに対する法制化の動向を点検し、アジア企業の対応策を検討しました。 
 
BSR代表のAaron CRAMER氏と、当事務所の林成澤(イム・ソンテク)代表弁護士の挨拶を皮切りに、基調講演、2つのセッションが行われました。 
 
基調講演は、国連の「ビジネスと人権」作業部会(UNWG)委員(元議長)であるPichamon YEOPHANTONG氏と、Hiroki MATSUI日本外務省事務官が行いました。YEOPHANTONG委員は、「国連の『ビジネスと人権』作業部会のアジア企業に対する優先課題と期待」をテーマにした発表において、人権経営に関する国連の優先課題を説明し、「企業は、義務的なデューデリジェンス法制と、自主的なデューデリジェンス指針を共に考慮し、特に被害者を考慮した救済策を提供するために努力する必要がある」と述べました。日本外務省のMATSUI事務官は、「国連の『ビジネスと人権』履行原則に対する日本政府の政策構想」をテーマにした発表において、「昨年末基準で日本の大企業の28%が人権デューデリジェンスを実施し、日本政府は2022年8月に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン 」を発表した後、日本だけでなく、東南アジア地域で人権デューデリジェンスセミナーを開催するなど、企業の人権経営を支援するために注力している」と述べました。 
 
第1セッションでは、BSRと、当事務所の人権経営専門家が「グローバル人権デューデリジェンス法制の動向とアジア企業への示唆」をテーマに発表しました。BSRディレクターのRosa KUSBIANTORO氏は「人権・環境デューデリジェンス義務化法制-グローバル制定の背景及び動向」を紹介し、「人権の法制化は、公表義務、デューデリジェンス義務、通商制裁、公共調達の領域でそれぞれ発展しており、欧州連合(EU)だけでなく、EU以外の地域の立法動向を見ながら、人権環境デューデリジェンスの要件とインセンティブを確認する必要がある」と述べました。次に、閔彰昱(ミン・チャンウク)パートナー弁護士が「EUのデューデリジェンス法制がアジア企業に与える影響-グループ単位のデューデリジェンスと原材料調達を中心に」をテーマに発表しました。閔弁護士は、「EU議会が今年6月に修正した『企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)』は、グループの持株会社を適用対象企業に含め、グループ単位のデューデリジェンス支援条項を追加しましたが、EUビジネスを行う国内の企業集団は、グループ単位のデューデリジェンス政策などを設ける必要がある」とし、「EUの森林デューデリジェンス規則(EUDR)やバッテリー規定においても、原材料の責任ある調達に関連する別途のデューデリジェンス義務を課しているため、EUに関連製品を輸出する国内の食品会社、タイヤ会社、家具会社、バッテリーメーカーなどは、サプライチェーンのデューデリジェンスを行うことが求められる」と述べました。 
 
第2セッションでは「サプライチェーンの人権デューデリジェンスの実務上の争点と課題」をテーマに総合討論が行われました。総合討論は、BSRのAsako NAGAIディレクターを座長として、キリンホールディングス調達チームのYoko NORO氏、SKガスのシン・ギョンジンESGマネージャー、ウィルマーインターナショナルのDaphne HAMEETEMAN持続可能経営部長が討論に参加しました。キリンホールディングスは、協力会社行動規範及び4段階のサプライチェーンリスク管理措置を具体的に紹介し、SKガスは、今年上半期にガスバリューチェーンを対象に実施した深層人権デューデリジェンスの方法論及び示唆を共有し、ウィルマーインターナショナルは、パーム油プランテーションのサプライチェーンデューデリジェンスポリシー及び診断ツールと苦情処理メカニズムの運営状況も説明しました。 
 
当事務所のESGセンター長の林成澤代表弁護士は、「人権は、今やグローバル通商問題となり、利害関係者の最優先関心事となっている」とし、「国際社会で人権経営の議論を主導する国連の『ビジネスと人権』作業部会(UNWG)と、今年のG7議長国である日本外務省をはじめ、アジアで人権経営をリードする国内外の企業の関係者が参加した今回のセミナーを通じて、各企業のサプライチェーンのデューデリジェンスを点検する機会になったことを期待している」と述べました。 
 
 
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