2010年3月現在、韓国取引所に上場した外国企業は11社(中国系10社、日本企業1社)に達しています。また、アメリカ企業であるニュープライドコーポレーション(2010年4月上場完了)をはじめとして、今年も中国系、日系、イギリス系、ベトナム系、インドネシア系など多様な国の外国企業が韓国取引所の上場を検討すると考えられます。このような外国企業の韓国上場過程において韓国ローファームはすばらしい活躍をしています。 純粋な国内IPO過程では、国内弁護士の役割というものは非常に限定的なものでありました。対象会社のデューデリジェンス及び内部統制システムの構築、予備上場審査請求書の作成、証券申告書の作成など、弁護士の参加が必要な領域のほとんどを主幹事会社が遂行しました。これはアメリカをはじめとする先進資本市場とは対照的なことです(アメリカの場合、IPOと関連するすべてのドキュメンテーションを弁護士が担当しているため、ローファームの大きな収益源になります。)。従来、国内IPO市場への弁護士の参加程度が低かったことには、いくつかの理由があると思われます。まず、各種の請求書や申告書に弁護士の法律意見の添付の義務が要求されていませんでした。デューデリジェンスも任意的です。それ故、発行会社としては、高い弁護士費用を払ってまでIPOを準備する必要性がなかったのです。 これとは異なって、外国企業の韓国上場時に韓国ローファームの関与が必ず必要である理由は、国内IPOとは異なった事情が存在するからです。すなわち、外国企業の場合、規定上、当該企業が所在した国家の現地ローファームと韓国ローファームの法律意見提供が強制されます。また、当該国家の法令に対する記載、定款の整備などが行われなければならないのですが、これは、韓国ローファームのコントロールの上現地ローファームのサポートがなければ、準備できません。そして、引受業務を担当する主幹事会社も、国内とは異なって当該外国企業の設立準拠法や外換、租税制度などに対するリスクを判断しつつそのリスクを減らすため、ローファームのサポートが必ず必要であると判断しています。さらに、韓国と法律体系が異なった外国企業が韓国に上場する際に、予想されぬ多様な法律・制度的に争点が発生することになりますが、これは法律家のサポートなしには解決できない場合が多いのです。このような事情のため、韓国ローファームには外国企業の国内上場は新たな「マーケット」として評価されています。尚、韓国企業がアメリカやヨーロッパ証券市場に上場した以後も、上場維持のための多様な法律サポートが必要であるように、韓国取引所に上場した外国企業も開示や増資などの上場維持過程における多様な法律サービスを必要としています。 韓国企業の海外上場の際、韓国ローファームは香港の大型国際ローファームのローカルカウンセルとしてその役割が制限され外国ローファームによって当該取引がコントロールされたこととは正反対に、外国企業の韓国上場時には、国内ローファームが外国ローファームをサブカウンセルとして活用しつつIPO業務を遂行することになります。 韓国取引所、韓国預託決済院と国内証券会社は、外国企業の誘致のために数年前から様々な努力をしてきており、現在、その努力の結果が見え始めています。韓国ローファームと会計法人は、その過程で一定な「恩恵」を被っているといっても過言ではありません。より多くの外国企業が韓国取引所を「訪問」するようにし韓国資本市場が北東アジアの中心になるためには、長期的には投資家からの信頼がもっとも大事であり、このためには、韓国ローファームはゲートキーパーとしての役割に充実しなければならないと思います。
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