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韓国電力公社：江原道高城山火事被災者への災害支援金支給に関する国家及び地方自治体を相手にした債務不存在確認訴訟で勝訴

2024.01.19

大韓民国と江原道、江原道高城郡、束草市は、2019年4月4日に高城・束草一帯で発生した火災に関連して、被災者に災害支援金を支給した後、韓国電力公社が原因提供者に該当すると主張し、災害安全法第66条第6項を根拠に支出した災害支援金全額を求償請求すると通知しました。これに対し、原告の韓国電力公社は先制的に債務不存在確認の訴えを提起し、国と地方自治体は反訴として費用償還請求の訴えを提起しました。 
 
当事務所の企業金融訴訟グループは、原告の韓国電力公社を代理し、①この事件の山火事は、強風、乾燥した気候等の不可避的な自然力と、国と自治体の過失が競合して発生したものであり、韓国電力公社を単独の原因提供者と見ることはできず、②費用償還請求権は、新たな法令上の請求権ではなく、求償権に該当し、 ③原告が被害住民と別途の合意を経て、関連民事訴訟で賠償責任を履行していることに照らして、費用償還請求による追加的な責任を負担させることは、憲法上の自己責任の原則に反し、④被告らは、憲法及び法律に基づいて付与された社会保障の義務を履行する立場で被害住民に支援金を交付したものであるため、原則として本来の義務を履行したものと見なすべきであり、原因提供者が求償請求することはできないと主張しました。 
 
第一審は、費用償還請求権の法的性格が求償権に限定されると見ることはできないが、①この事件の山火事の被害規模が拡大したことには、異常な強風の影響、及びこの事件山火事が夜間に発生し、初期対応が困難であったこと等の自然力に起因する要素があったこと、②原告がこの事件の山火事発生後、損害査定に基づいて被害住民に賠償金を支払ったので、原告が負担する求償金の範囲が縮小されたとしても、モラルハザードを引き起こす恐れがないこと、③被害現況について被告らが別途の損害査定を経なかったこと、災害支援金のうち、山火事と相当因果関係が存在しない部分が含まれている可能性があること等を考慮して、衡平の原則上、原告の責任は、仮住居施設設置費用等の費用償還請求から除外すべき項目を除いた残りの金員のうち20%に大幅に制限されるべきであると判断しました。 
 
これに対し、当グループは、控訴審において、災害安全法、災害救助法の規定を目的論的、体系的、合憲的に解釈する場合、費用償還請求権は「求償権」と見るべきであり、災害支援金を原告の損害賠償額から控除していない関連民事判決の態度に照らして、追加的な費用償還請求は、原告に懲罰的損害賠償責任を強要するのと同じであると主張しました。控訴審裁判部は、当グループの主張を受け入れ、「代位弁済部分」を超えて「社会保障部分」まで費用償還請求権を認めることは、自己責任の原則、国の社会保障増進義務、国と地方自治体の災害からの国民保護義務等に反して許容することができず、被告らが災害支援費用及び救援費用のうち代位弁済部分の範囲と金額を具体的に証明していないため、求償権を行使することができないとし、第一審判決を取り消し、被告らの請求を全て棄却しました。

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