法務法人(有限)地平

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商法改正案、国会通過

2011.04.07

<br><b>商法改正案、国会通過</b><div><br><img width="115" height="144" align="left" src="/origin/pds/bbs/skang.jpg" vspace="8" hspace="8">(写真 : 法務法人地平志誠 <u>姜成(カン・ソン)代表弁護士</u>) </div><div align="justify">商法会社部分に関する改正案が、去る3月11日に国会を通過しました。従来、商法会社部分に関しては、1997年の経済危機以後、1998年、1999年、2001年、2009年に部分的にのみ改正されましたが、今回の改正は、会社法の制定以来、最も膨大な規模の改正として法律家及び企業家が注目すべき相当な変化と争点を含んでいます。以下では、今回の改正内容の中、主たる内容を概要します。 <div><b>1. 合資組合及び有限責任会社の新設</b></div><div align="justify">会社の形態と関連し、会社法は1962年の制定以来、合名、合資、株式、有限会社の形態のみを認定しており、変化する国際情勢からかけ離れていて、新しい形態の会社導入に関する要求が提起されつつありました。これに、改正会社法は、新しい会社の形態として、合資組合と有限責任会社を新設しました。 <div>合資組合は、アメリカのlimited partnership(LP)を導入したものであり、業務執行者として組合債務に無限責任を負う業務執行組合員と、出資価額を限度として有限責任を負う有限責任組合員から構成される形態です。有限責任会社は、アメリカのlimited liability company(LLP)を導入したものであり、社員に対して有限責任を認定しつつ、会社の設立、運営と機関構成等の面においては、私的自治を幅広く認める会社です。 <div>これらの会社形態の導入によって、今後、私募投資ファンドのようなファンドやアイディア創業などのような知識基盤ベンチャー会社の設立が活発になると期待されます。 <div><b>2. 株式及び社債の電子登録制の導入</b></div><div align="justify">株式や社債のように、会社の発行する有価証券の場合、株券、社債券を発行しなければならないため、会社の立場からは発行費用の負担があり、株主や社債権者の立場からは権利行使に不便を感じてきました。これに、改正会社法は、発達した情報通信技術を株式及び社債制度に反映し、株券と社債券を実物として発行するものではなく、電子登録機関に登録してから証券を所持しなくても権利の譲渡、担保設定等の権利行使ができるように、電子登録制を導入しました。 <div><b>3. </b><b>少数株式の強制買収制度の導入 </b><br><div>改正会社法は、アメリカ及びヨーロッパのほとんどの国で導入されているスクイズアウト制度(squeeze-out)を導入し、発行株式総数の95%以上を保有する支配株主が少数株主の株式を公正な価格で購入できるようにしました。これに対応し、少数株主も支配株主に対して株式買収請求権を行使できるようにしました。 <div><b>4. </b><b>理事の自己取引承認対象の拡大及び理事の会社事業機会流用の禁止</b> <div>理事の本人及び本人と関係のある第3者の利益のために会社に損害を及ぼす行為を統制するため、改正会社法は、理事と会社間の自己取引承認対象を理事の配偶者、直系尊卑属、取締役の配偶者の直系尊卑属と彼らの個人会社にまで拡大し、これに対する理事会の承認要件も理事の3分の2以上の賛成へと強化しました。 <div>また、理事が職務上知り得た会社の情報を利用し、本人及び第3者の利益のために利用することを禁じ、これに違反することによって会社に損害は発生した場合、理事及びその行為を承認した理事に損害賠償責任の負わせるようにしています。 <div><b>5. </b><b>理事の責任減軽</b> <div>現行の会社法は、理事の責任を総株主の同意にて免除すること以外には責任減免規定がありませんでした。ところが、有能な経営者の導入を促進しつつ、経営者のより積極的な経営ができるように制度を整える必要性があり、改正会社法は、理事の会社に対する損害賠償責任を、故意、又は、重大な過失によって会社に損害を発生させた場合を除き、理事の最近の1年間の報酬額の6倍(社外理事の場合は3倍)以内に制限しています。 <div><b>6. </b><b>執行役員制度の導入</b> <div>大規模の上場会社の場合、ほとんど、定款や内規に基づいて会社の業務執行を担当する執行役員を置いていますが、今まで会社法の中には、これに対する根拠規定がありませんでした。これに、改正会社法は、執行役員制度を導入し、理事会がこれに対して監督するようにしています。執行役員制度の導入如何は会社の自律でありますが、執行役員を置いた会社は代表理事をおくことができなくなります。大規模上場会社は、執行役員制度を置くことによって、対内的に経営の安定性を確保するとともに、対外的には取引の安全を図ることができるものと期待されます。 <div><b>7. </b><b>会計関連規定の改善</b> <div>企業会計基準は、国際的な会計規範の変化に合わせて変貌していますが、既存の会社法の会計規定はこれを正しく反映できず、会計規範が2元化するという問題がありました。これに、改正会社法は、具体的な会計処理に関する既存の規定を削除し、貸借対照表と損益計算書を除いた会計書類は大統領令で規定するようにし、会計規範の変化に迅速に対応できるようにしています。 <div><b>8. </b><b>遵法支援人制度の導入</b> <div>銀行法に基づいて、金融機関には遵法監視人(コンプライアンスオフィサー)が設置され運営されていますが、大規模企業には遵法経営のための制度が充分ではありませんでした。世界的にも倫理経営の重要性が強調されている時点において、改正会社法は、一定規模以上の上場会社に対して遵法支援人1人以上を置くようにしています。遵法支援人は常勤とし、その資格要件は弁護士、法科大学教授等の法律専門家へ制限されます。 <div><b>9. </b><b>有限会社に対する各種の制限規定の撤廃</b> <div>有限会社は閉鎖的に運営される小規模企業を前提としていますが、現行の会社法は、有限会社に対して多すぎる制限を設けており、従来、有限会社制度の利用が低調でありました。これに、改正会社法は、社員総数制限規定を削除し、持分譲渡を原則的に自由化するなど、代表的な制限規定を廃止することによって、有限会社制度の利用が増大されるものと期待されます。 <div><b>10. </b><b>その他、主要内容及び適用時期</b> <div>先述した内容以外にも、配当、社債発行、法定準備金制度等に関する改善が行われ、無額面株式等のような多様な種類の株式が導入されるなど、会社法全般に関する広範囲な変更が行われるようになりました。 <div>その他、理事の義務違反に対する責任追及手段の一つである多重代表訴訟の導入如何が注目されましたが、賛否の議論がわかれ、今後の議論の末、その導入如何が決定されることとなり、今回の改正には含まれませんでした。 <div>上記の改正案は、2011年4月1日に政府に移送された状況であり、国務会議における表決の上公布されることになれば、公布日から1年経過した時点より施行されることになります(法律の公布は移送された日から15日いないです。)。但し、遵法支援人制度に対しては、政府が慎重に検討を行うと決定し、その公布如何及び時期に対しては、注目する必要があるものといえます。 <div>以上の内容と関連し、お気になることやご質問等がありましたら、担当弁護士宛にご連絡いただければと思います。 <br></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div></div>

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