(写真: 法務法人地平志誠 金度女幼(キム・ドヨ) 弁護士ㆍ前ベトナム現地法人長) 2011年6月15日、海外の証券取引所で初めてベトナム企業が株式上場の審査を通った。 シンガポールの証券取引所は、ベトナム最大の不動産開発会社の1つであるビンコム(Vincom)が上場審査を通ったと正式発表した。これまで、ベトナム企業が海外の証券取引所に株式を上場するための様々な試みをしてきたが、これまで成功した事例はなかった。 ビンコムは2007年、ホーチミンの証券取引所(HoSE)に上場された企業で、2009年、11ヶ月満期、6%の金利で4000万ドル相当の米ドル転換社債を発行してシンガポールの証券取引所に上場してから、2年でシンガポールの証券取引所の上場承認を受け、ベトナム資本市場の新しいトレンドを形成している。
今のベトナムの経済状況を考慮すると、ベトナム企業にとって、外国の資本市場はとても魅力的な資金調達先である。ベトナムの貨幣単位のベトナムドン(VND)が持続的に安く、現在、ベトナムの銀行からドンを貸出してもらうためには、18~20%の高金利を支払わないと、調達できない。 また、ベトナム政府は不健全な銀行の資産健全性を向上し、長引いているインフレーションを抑えるために、最近、銀行の同一人向け貸出限度を削減、銀行から資金を調達するのも、難しくなっている。ベトナムの証券市場も2008年に暴落してから、投資家からの信頼を大きく失い、主要企業の株式公募(IPO)も、それほど成功できなかったと評価されている。 ベトナムの不透明な資本市場と外国為替の法制、不透明な会計慣行など、海外上場に不利な条件を乗り越えて、ビンコムがアジアで最も先進的な取引所の1つであるシンガポールの証券取引所への上場承認は示唆するところが多い。 ベトナムの上場企業は総発行株式の49%を超えない範囲で外国人の投資を認めているが、今後、シンガポールの証券取引所に株式が実際に上場されれば、ベトナム当局が外国人投資限度を効率的に管理するために、どのようなシステムを採用するのか、興味深い。 国営企業の民営化規定の見直し
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